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■ モンゴルの食生活 ■


『羊肉』
 モンゴルで肉といえば羊肉のこと。骨を折らず・切らず・関!節に従って解体し大鍋で茄でる。味付けは塩のみで、保存用として干肉を作ることもある。ちなみにモンゴルの主食はこの羊肉である。

『アイラグ(馬乳酒)』

 馬の乳を発酵させたアルコール度2〜4%の飲み物。色は白く、味には軽い酸味がある。栄養価が高く、夏場はこれを飲んで食事代わりにする人も多い。

『スーティーツァイ』

 乳に少しお茶を足し、塩を入れた飲み物。ゲルに住む人にとって栄養豊かな朝食でもある。

『アルビ』

 モンゴルのウォッカ。冬は外気で半分凍らせた状態で飲む。アルコール度数の高い酒。

モンゴル人は古くから遊牧を行なってきたので、母国の機構、生活環境に適合した食料を利用してきた。世界の国々と異なる、モンゴル人の生活習慣からくる、優れた食料や食用穀物を自ら工夫し利用してきた。モンゴル人の食料は、古くから受け継いできたものと、新たに創り出したものとに分けられる。
 古くからモンゴル人が受け継いできた食料として、乳・乳製品・肉・穀物・小麦粉などがある。現在でも基本的にはこうした食料が利用されている。最近になって食品構成がいくらか変化してきた。今から30年〜40年前までは、モンゴル人、特に地方のモンゴル牧民たちは、春から晩秋にかけて、主として乳や乳製品を食べていた。とりわけ夏には、乳製品を常食としていた。
 この乳や乳製品について述べてみよう。モンゴル人は、乳や乳製品をひっくるめてツァガーン・イデーと呼び、家畜の乳を食用穀物より優れた神聖な食品として大切にしてきた。これは、モンゴル民族のいろいろな習慣によって明らかである。つまり、乳あるいは上質のスーティ・ツァイ(乳を入れた茶)を仏前に供えたり、乳や乳製品の上質のものを毎朝大地や井戸で、四方八方に撒いたりすることによって、神仏に豊穣を祈願して、平穏無事を祈る。友人知己や息子が兵士として出征したり、遠方に出かけたりする時には、正夫人や母親は鐙に乳を垂らし、それから乳を捧げる。結婚式の宴を催したり、老齢の祝いをしたり、大切な訪問客を歓待したり、読経を行なったり、その他いずれの祝宴にも神聖なる物の象徴として、ハダック(絹布)や器に盛った乳を供える。
 乳を地面に撒いたり垂らしたりする時には、「吉兆が半減する」、と言ってこぼした乳を、右手人差し指で塗りこめて、額に持っていってお辞儀をする習わしがある。
 乳に水を加えることは禁じられているが、水に乳を加えることは許される。これは、黒を白にするという意味合いがある。モンゴル・アイル(村)を訪れた客人には、必ずお茶や食べ物を提供し、乳製品を最初に馳走する。こうしたモンゴル人の各種の習慣について述べてみよう。一般的に言えば、モンゴル人は乳を神聖なものとして大切にしている。モンゴル人は白い母乳のことを「スーン・ツァガーン・セトゲル(純粋無垢な乳)」と言っている。また、僕民は、乳のことを大切にして、食べ物のうち最も神聖なもの、信頼すべき最高の魂、と言っている。民話で「よき人の子、乳を出す雌馬の仔」というのがあるが、これは立派な人物と優れた馬をさしている。一般的には、家財や人の心が、乳のように神聖で、純粋で優れたものになってほしい、と祈願する。このようにモンゴル人は、乳や乳製品を神聖視して、一等大切な飲食物として利用してきた。
 モンゴル人は、春から夏の暖かい季節には、乳や乳製品だけを利用する。これは、一つには、やせる必要から、もう一つは、人間の肉体が夏の季節にはエネルギー代謝が少なく、乳や乳製品に含まれる栄養素で肉体を整えることができることを、長い間の知恵で知っているからである。これは医療行為として広く食事療法に用いられ、都市部では乳製品の特別なレストランが営業している。そこでは、営業許可証を持った人々が食事を出す。こうして、食事によって治療する方法のことを医学用語では「食事療法(ディエトチェラツィア)」と言っているが、こうした治療法を民衆は古くから知っていた。一般的に言えば、モンゴル人は古くからの食習慣を順守し、現在まで基本的に残してきた。また、モンゴル人は西洋人に比べて少ない種類の食品を利用してきたが、これは生活に適合したものであった。
 モンゴルの生活文化について言えば、食品の種類はそれ程多くはない。祝宴や日常食べる食品を選択し、準備する方法、利用する順序、食品に関するタブーなどは、モンゴル民族の特徴、民族的性格となっている。この特性は、周辺諸国や諸民族のほか、中央アジアの他の遊牧民国家と比べてたやすく見分けがつく。

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